『フォレスト』のカメラが生み出した映像効果とは?

『フォレスト』第6話©ABCテレビ
『フォレスト』第6話©ABCテレビ

 以上のことを踏まえると、岩田剛典という俳優、アーティストをカメラのフレームにおさめようと策を練る演出家たちが、カメラと岩田の最適な距離をいかに測定しながらフレーミングしているかがわかる。『フォレスト』のカメラが、一ノ瀬純役を演じる岩田に前進移動で寄る画面の数々について上述してきたが、ではそれが具体的にどんな映像効果を生み出しているのか?

 第5話で、疑心が確信に変わり、家を飛び出した楓をひとり食卓で待つ純に対してもカメラは前進移動する。こうしたカメラワークは純ひとりを写すワンショットだけでなく、ツーショットの場面でも確認できる。

 第6話で純が鈴子の秘書・葉山修(堀部圭亮)に過去の因縁を問いただす場面。最初カメラは引きの位置から俯瞰でふたりを捉える。ここではカメラは上手から下手へゆるやかに移動する。

 その後、純と葉山を交互に写す切り返しショットが繰り返されるうち、岩田の演技がエモーショナルに温まったところで、カメラが前進移動する。シーン終わり、純がワンショットになるとカメラがさらに寄る。

 シーン最初の俯瞰に対して、ローアングルの画面に写る岩田は、これまでの出演作品とは一味違う表情を見せている。不安定な構図が、この表情に何か化学反応を起こそうとしているような気がした。

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