突然の上半身露出シーンに視聴者眼福
『鎌倉殿の13人』(2022)
脚本:三谷幸喜
キャスト:小栗旬、青木崇高、浅野和之、新垣結衣、生田斗真、市原隼人、江口のりこ、大泉洋、尾上松也、柿澤勇人、片岡愛之助、金子大地、寛一郎、菊地凛子、國村隼、栗原英雄、小池栄子、小泉孝太郎、坂口健太郎、迫田孝也、佐藤浩市、佐藤二朗、シルビア・グラブ、鈴木京香、菅田将暉、瀬戸康史、田中泯、田中直樹、中川大志、中村獅童、西田敏行、坂東彌十郎、堀田真由、堀内敬子、松平健、宮澤エマ、宮沢りえ、山寺宏一、山本耕史
【作品内容】
北条義時を主人公に、平安末期から鎌倉初期にかけての鎌倉幕府と二代執権としての歩みを描く。
【注目ポイント】
脚本家・三谷幸喜が手がけた大河ドラマ3作目となった『鎌倉殿の13人』。2022年に放送され、大河8回目の出演で主人公を演じた小栗旬が北条義時を演じ、三谷が脚本を担当するということで大河ファンのみならず三谷ファンも注目した作品である。
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての日本を舞台に、源頼朝が平家を滅ぼし鎌倉幕府を開くまでの過程と、その後に巻き起こる権力闘争が描かれる本作。頼朝の死後、新たに設けられた「十三人の合議制」を軸に、北条義時がどのようにして権力を掌握していったのかをめぐる物語となっている。
SNSで「初めて鎌倉殿の13人は面白いって思えた」「大河ドラマ見るの初めてなんだけど、面白い」といった声が挙がるなど、それまで時代劇や大河ドラマを苦手としていた視聴者層の心をも掴んだ。「ジェットコースター大河」と評される、視聴者を飽きさせない演出の数々と出演陣の力のこもった演技が成功の要因だろう。
多くのファンを獲得した本作だが、視聴者の誰しもが思わずツッコんでしまったのが第42話「夢のゆくえ」のとあるシーン。3代鎌倉殿・源実朝の命で唐船を建造するのだが、船が本来の設計より重くなり、砂浜に沈んで動かなくなってしまう。
船を進水させるため市原隼人演じる八田知家は上半身を露出し、下人たちと共に力の限りを尽くして綱を引くのだが、その様子を傍目から見ていた山本耕史演じる三浦義村までもが、何故か上半身裸になっていたのだ。
2人の鍛え上げられた肉体美に思わず視聴者は釘付けに、と同時に「義村はなんで脱いでたんだろう?」と疑問の声を上げずにいられなかった。視聴者からのツッコミが殺到した山本は、実は自分の露出は台本どおりで、市原の露出の方がアドリブだったのだと、後に明らかにしている。
筆者としては、2人の美しい筋肉は眼福そのものだったが、思わずクスっとさせられた。
随所に伏線が散りばめられ、ラストのまさかのタイトル回収で視聴者を唖然とさせた本作だが、上記のようなキャストの遊び心も光る作品だったことは書き添えておきたい。