アカデミー賞でアジア初の視覚効果賞を受賞
『シン・ゴジラ』(2016)
監督:庵野秀明(総監督)
キャスト:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、市川実日子、高橋一生、津田寛治、余貴美子、國村隼、平泉成、柄本明、大杉漣
【作品内容】
“現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)”のキャッチコピー通り、ゴジラの存在を特殊な自然災害(東日本大震災を暗喩している)と捉え、政・官のトップを中心に国難としてのゴジラに立ち向かう姿を描く。
【注目ポイント】
ハリウッドのいわゆる“モンスター・ヴァース”の展開もあり『ゴジラFINAL WARS』(2004)以降、作られてこなかった日本製“実写のゴジラ映画”の久しぶりの新作。
総監督兼脚本として『新世紀エヴァンゲリオン』を手掛けた庵野秀明が参加したほか、樋口真嗣が監督兼特技監督などを務めるなど、3監督・4班体制、総勢1000人以上のスタッフ、セリフのある役だけでも328人のキャストが登場するという空前絶後の規模を誇る作品となった。
長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊を筆頭にトップクラスの俳優がズラリと並び、興行収入は82.5億円を突破する大ヒットを記録。アニメーションばかりが大ヒットを飛ばす近年の情勢の中で、気を吐いた。
本作の完成度と突き詰め方を見て「この次のゴジラ映画を撮るのは大変だ」と当時語ったのが映画監督の山崎貴。山崎監督はこの『シン・ゴジラ』の7年後に『ゴジラ-1.0』を監督することになる。こちらも高評価を受け、日本はもちろんアメリカでも実写邦画の新記録を樹立するなど大ヒットを叩き出し、第96回アカデミー賞でアジア初の視覚効果賞を受賞することになる。
そして現在、山崎監督は新作ゴジラ映画を製作中である。庵野秀明監督はこの後、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021)、『シン・ウルトラマン』(2022)、『シン・仮面ライダー』(2023)を立て続けに手掛け、これらの作品は“シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース”として一括りにされている。
(文・村松健太郎)
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【了】