あまりにも恐ろしい「命の品定め」
『エレファント』(2003)
監督:ガス・バン・サント
脚本:ガス・バン・サント
キャスト:ジョン・ロビンソン、イライアス・マッコネル、アレックス・フロスト、エリック・デューレン
【作品内容】
オレゴン州ポートランドのとある高校。酒浸りの父親のせいで遅刻したジョン(ジョン・ロビンソン)は、兄に迎えを頼み、学校へと向かう。
一方、カメラを手にしたイーライ(イライアス・マッコネル)は、カメラ片手に公園を散歩し、同級生たちの姿を写真に収めていた。
いつもの日常、いつもの学生生活。しかし、そんな日常が、程なく一変する出来事が起こるー。
【注目ポイント】
1999年にコロラド州で発生した「コロンバイン高校銃乱射事件」をベースにした作品。監督は『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)『ミルク』(2008)のガス・ヴァン・サントで、カンヌ映画祭でパルムドールと監督賞をダブル受賞した作品として知られる。
いつも通りの変わり映えのない日常が、2人の殺人者(アレックスとエリック)が放つ銃声と共に一変するー。本作では、そんな身も凍るような展開が、ドキュメンタリータッチで淡々と描かれている。
特に印象的なのはラストだろう。校長や生徒を手にかけたアレックスが、冷凍庫に見つけた生徒たちを発見する。すると、アレックスは、「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・カ・ミ・サ・マ・の・い・う・と・お・り…」と呟き、次なる犠牲者を天に委ねようとする。
エンディングテーマの「エリーゼのために」と合わせて、これほどまでにこの数え歌を恐ろしく感じたことはかつてないかもしれない。