立ち聞きのシーンが多すぎる?

『おかえりモネ』(2021)

清原果耶
清原果耶【Getty Images】

脚本:安達奈緒子
キャスト:清原果耶、鈴木京香、坂口健太郎、永瀬廉、蒔田彩珠、今田美桜、浜野謙太、でんでん、清水尋也、森田望智、恒松祐里、玉置玲央、菅原小春、山寺宏一、前田航基、高田彪我、平山祐介、藤竜也、塚本晋也、マイコ、山口紗弥加、井上順、浅野忠信、坂井真紀、高岡早紀西島秀俊、夏木マリ、竹下景子、内野聖陽

【作品内容】

 宮城県気仙沼湾沖の亀島で育った百音(清原果耶)は高校卒業後、登米市で山林ガイドの仕事を始める。気象予報士・朝岡との出会いによって、気象予報士を目指した百音は3度目の試験で晴れて合格。東京で朝岡と同じ気象予報会社に勤務することになる。

【注目ポイント】

 清原果耶がヒロインを務め2021年に放送されたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』は、東日本大震災から10年の節目にあたる年にNHK東日本大震災プロジェクトの一環として制作された作品。

 主人公の百音(愛称「モネ」)が夢を見つけるまでの宮城編と、気象予報士試験に合格してからの東京編で繋がれている。サンドウィッチマンや、もう中学生などお笑い芸人の出演したことなどでも度々話題を呼んだ。

 物語全体を通じて登場人物の立ち聞きが多かったシーンにはSNSでのツッコミが飛び交った。

 例えば、百音の同級生で永瀬廉演じる亮が父の新次(浅野忠信)とともに、百音の自宅を訪れるシーン。父親に船の資金繰りの相談という、立ち聞き厳禁な内容だが、百音は立ち聞きしてしまう。

 それだけではない。場面は変わって亮が漁師たちに相談している時にも、なぜか百音は離れた場所から聞いていたのだ。さらに他のシーンでは、亮に想いを寄せる百音の妹・未知(蒔田彩珠)も、亮が百音に告白する場面を立ち聞きしたことによって傷つく展開を迎える。

 さすがに「立ち聞きのシーン多すぎませんかw」と視聴者からのツッコミも多く「立ち聞き」がトレンド入りしたほどだ。次番組の『あさイチ』では、冒頭でその日の朝ドラについて話す、通称「朝ドラ受け」が度々あるのだが、番組MCの博多華丸・大吉の大吉も「モネちゃんは立ち聞きが過ぎるのよ」とツッコミを入れたことも。

 ちなみに本作で百音と結ばれた坂口健太郎演じる菅波光太朗の魅力的な姿が大きな反響を呼んだ。頭が良いのに人間の機微に不器用な菅波と百音の甘酸っぱい恋模様を楽しみにしている視聴者は多く、菅波が登場するとSNSでは「#俺たちの菅波」のハッシュタグがトレンド入りするという現象が起きた。

 この「#俺たちの○○」は、朝ドラファンの間でも根付き、近年では伊藤沙莉主演の『虎に翼』(2024)で、戸塚純貴演じる轟太一でも同現象が起きている。

 東日本大震災後の宮城を舞台にした重厚な感動作となっていたが、こういったクスっとする癒しどころも備えた良質なドラマだったことは間違いない。

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