名作ドラマに欠かせない若手女優
杉咲花
ドラマ、映画、CMと、メディアでは見ない日がないほど活躍している杉咲花。演技力の高さはもちろんのこと、作品全体を考えた芝居は、独りよがりな印象をまったく与えず、作品のクオリティを上げることに寄与している。
10代から出演している作品も多く、なかでも『夜行観覧車』(TBS、2013)で杉咲を知った視聴者も多いのではないだろうか。金10枠で、5年ぶりに視聴率二桁台をたたき出した人気ドラマである。住宅地で起きた殺人事件を中心に、それぞれの家族が抱える秘密や心の闇を描いた湊かなえ原作の作品で、杉咲は学校でイジメに遭い、家庭内暴力に走ってしまう難しい役を見事に演じた。「演技がうますぎて衝撃的だったの忘れられない」と、今もなお視聴者に強い印象を残している作品である。
そして連ドラ初主演となったのが、2018年に放送された『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS)。『花より男子』(TBS、2005)の続編として学園の10年後が描かれており、前作ほどの高視聴率は叩き出せなかったものの、目の肥えたドラマファンを唸らせる芝居を披露し、気を吐いた。
このドラマを機に『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日、2019)、『おちょやん』(NHK 総合、2020年11月~2021年5月)、『ヤンキー君と白杖ガール』(日本テレビ、2021)と主演ドラマが立て続き、押しも押されぬ人気女優に。
2024年は『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ、フジテレビ系)、『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)と後世に語り継がれる名作に立て続けに出演し、当たり年となった。
『アンメット ある脳外科医の日記』で、記憶障害を抱える脳外科医という難しい役どころを演じた杉咲は、キャラクターの体温をも伝える丁寧な演技で毎話視聴者を引き込み、若葉竜也や井浦新、岡山天音といった芸達者の共演陣、凝りに凝られたカメラワークも相まって、民放ドラマの枠には収まらないスケールの作品に昇華してみせた。
続く『海に眠るダイヤモンド』では、主人公と深く関わる重要な役を熱演。日曜劇場枠のドラマだったが、なんと9年半ぶりにギャラクシー賞を獲得。どの作品でも「彼女にしかできない」と思わせる芝居を披露し、作品を成功に導く杉咲を「今、もっとも次の作品が観たい女優」の筆頭に挙げる人は少なくないだろう。