最終回で一気に心を掴む迫真の演技

髙石あかり(演・千木良遥)

『御上先生』第9話 ©TBS
『御上先生』第9話 ©TBS

 千木良遥を演じた髙石あかりも素晴らしかった。すでに『ベイビーわるきゅーれ』シリーズや、2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』のヒロインに抜擢されるなど、その実力は折り紙付き。ただ、終盤に至るまで千木良の出番は控えめで「ちょい役?」と思いきや、最終回で圧巻の演技を見せた。

 千木良の父親は政治家であり、隣徳学院へはそんな父親の“口利き”があって入学していたことが発覚。最終回では、教室内ではクラスメイトの前でその事実を打ち明けるが、そのシーンでの髙石の演技は圧巻の一言。「苦しいよ。この話をしているこの瞬間も」「家族を売ってるっていう罪悪感で消えてなくなりたい。つらすぎて息ができない」と絞り出すように話す。

 視線や間の使い方、口を開くも言いよどむ様子など、千木良が長年抱えてきた葛藤がうかがえ、胸をキューと締め付けられた。さらには、こんな重い十字架を背負わせた“大人”に対する憤りも芽生え、ありとあらゆる感情が一気に押し寄せてきた。

 まだまだ10代の等身大の生き辛さを表現していてほしいが、大人の葛藤も演じている姿も早く見てみたい。今は何より『ばけばけ』の放送を心待ちにしたい。

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