タイプの異なる名優2人がガチンコ対決
ビル・マーレイVSショーン・ペン
【2004年第76回アカデミー賞/主演男優賞】
勝者:ショーン・ペン(『ミスティック・リバー』)
敗者:ビル・マーレイ(『ロスト・イン・トランスレーション』)
映画『ゴーストバスターズ』や、『恋はデジャ・ブ』などのヒット作で知られ、お茶目なスターとして人気を集めるビル・マーレイにとって、映画『ロスト・イン・トランスレーション』は、これまでとは毛色の異なる作品だった。
ソフィア・コッポラ監督の、東京を舞台にしたこのロマンス映画は、ユーモアを最小限に抑え、どこか悲しげな演技を披露。アカデミー賞にノミネートされると最有力候補と見なされた。
しかし結果は、映画『ミスティック・リバー』のショーン・ペンが主演男優賞を受賞した。飄々としたキャラクターを演じることの多いマーレイだが、この時ばかりは無表情で静かに頷き、その様子はシリアスそのもの。勝者に視線を向けながら失望している様子が伺える。一方、『アイ・アム・サム』(2001)で惜しくも同賞を逃した経験をもつショーン・ペンは、初の栄冠に喜びを爆発させた。