新たな事件と進化した湾岸署が描かれた名作続編
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)
監督:本広克行
脚本:君塚良一
キャスト:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、いかりや長介
【注目ポイント】
1997年に織田裕二主演でフジテレビで放映された連続テレビドラマの劇場版である、映画『踊る大捜査線』シリーズの第2弾。公開されるや記録的な大ヒットとなり興行収入173.5億円を記録。これは実写邦画歴代ナンバーワンの数字であり、現在に至るまで記録は破られていない。
ちなみにこれに続く実写邦画のヒット作は『南極物語』(1983)と『踊る大捜査線』(1997)の1作目でありこの3作品が興行収入100億円を超えるヒットとなっている。
この後も続編が2作、スピンオフが4作作られており、今後も続編が予定されている。日本におけるドル箱コンテンツの代表例と言っても過言ではないだろう。
1作目の時は“空き地”などと評されていた湾岸署管内(お台場)も約5年の間に観光地化が進行。それまでには想像できないほど人の往来が増え、1作目と2作目の間のおよそ5年間で街が様変わりしている。しかし、青島(織田裕二)、すみれ(深津絵里)、室井(柳葉敏郎)といった、おなじみの面々は変わらず、観る者に安心感を与える。
「レインボーブリッジ封鎖できません!」をはじめ名台詞の数は前作を凌駕。さらに、ベテラン刑事・和久さんを演じる、2004年に物故したいかりや長介のキャリア集大成となる味のある演技を堪能できるという点も特筆すべきだろう。
しばらくシリーズとしては沈黙が続いていたが2024年に『室井慎次敗れざる者』と『室井慎次生き続ける者』の2部作が発表され「生き続ける者」のラストに織田裕二がサプライズ出演、さらに本流の最新作となる『踊る大捜査線 N.E.W.』が2026年公開予定であることが発表された。