バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外すぎる元ネタは? 映画でお馴染みの楽曲5選。一度聴いたらクセになる名曲を解説
総合芸術たる映画には、さまざまな要素が含まれている。音楽もその一つだろう。古今東西、映画には、さまざまな名曲が使われてきた。そこで今回は、バラエティ番組で使われている映画音楽を5本セレクト。現在放送中の番組に的を絞って紹介する。(文:編集部)
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マニアックな世界を表現する
幻想的でキュートなナンバー
『マツコの知らない世界』のテーマ曲→『マルホランド・ドライブ』(2001)
監督:デイヴィッド・リンチ
脚本:デイヴィッド・リンチ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー、アン・ミラー、ダン・ヘダヤ、ロバート・フォスター
【作品内容】
アメリカ、ロサンゼルス。夜のマルホランド通りで交通事故が発生。命からがら生き延びた黒髪の女性(ローラ・ハリング)は、助けを求めてハリウッドにたどり着き、有名女優ルースの家に逃げ込む。
翌日。ルースの姪で女優志望のベティ(ナオミ・ワッツ)が彼女を発見。記憶喪失に陥った女性は自身を「リタ」と名乗り、ベティから手厚い介抱を受けるがー。
【注目ポイント】
2011年からTBS系で始まった『マツコの知らない世界』。司会のマツコ・デラックスがグルメやレジャー、芸能など、さまざまな業界の第一人者と繰り広げるディープなトークは、多くの視聴者を虜にしている。そんな本番組では、番組コンセプトである「マニアック」に則り、ジャズテイストの渋めの洋楽がBGMとして用いられている。
特に有名なのが、オープニングテーマとして用いられているリンダ・スコットの「星に語れば(I’ve Told Every Little Star)」だろう。
この楽曲は元々1932年にジェローム・カーンとオスカー・ハマースタインによって制作された楽曲で、1960年代にスコットがカバー。「Dum, da-dum, Da-da-da-da-da-da-da-da」という愛らしいスキャットと、「星空には打ち明けたい片想い」というキュートなテーマが世界を虜にした。
そして、この曲を語る上で欠かせないのが、デヴィッド・リンチ監督の映画『マルホランド・ドライブ』だ。
「カルトの帝王」と言われたリンチらしく、幻想的で複雑怪奇な展開が魅力のこの映画。作中では、ハリウッドの女優カミーラ・ローズが多くのスタッフを前に熱唱するシーンでこの曲が使われており、ハリウッドの夢と現実、芸能界の成功と挫折といった本作のテーマを象徴する曲として使用されている。
なお、本作には、トム・ジョーンズが歌う1965年のスクリューボールコメディ『何かいいことないか子猫チャン』(脚本をウディ・アレンが務めている)の主題歌など、通好みのオールディーズが目白押しだ。こちらも是非ともチェックしていただきたい。