史上最高のラブコメ邦画は? 男女のやり取りがリアルすぎる…共感度MAXな映画5選。笑いと感動が心に響く名作をセレクト
恋愛とは一筋縄ではいかないため、様々な物語がある。そして、本人が必死になればなるほど、その姿は側から見れば滑稽だったりもする。それでも人を愛することが辞められない…。今回は、そんな恋愛する人の可笑しみを描いたラブコメ日本映画を5本セレクト。作品の内容と共に、見どころを紹介する。(文・小室新一)
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【著者プロフィール:小室新一】
埼玉県出身。映画や旅行、建築などのジャンルで主に執筆活動をしているライター。学生時代から演劇の道へ進み、映画や舞台などに出演。現在は、映画の魅力を多くの人に届ける活動をしている。特に好きなジャンルは、SFアクションやミステリー作品。“今日は残りの人生、最初の日“をモットーに、素直な感情を執筆。
脳内に現れる、あらゆる感情が擬人化
『脳内ポイズンベリー』(2015)
監督:佐藤祐市
キャスト:真木よう子、西島秀俊、神木隆之介、吉田羊、桜田ひより、古川雄輝、成河、浅野和之
【作品内容】
携帯小説を書いて生計を立てている櫻井いちこ。以前、知り合ってから気になっていた男性を偶然、見かける。彼女の脳内では、5つの性格の会議が始まるのだった。
【注目ポイント】
原作は、「失恋ショコラティエ」などの作品を描いた水城せとなの同名漫画。監督は、『キサラギ』(2017)、『ストロベリーナイト』(2013)などの佐藤祐市が務める。主演を真木よう子が、脳内の五つの性格「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」「衝動」「記憶」を、西島秀俊、神木隆之介、吉田羊、桜田ひより、浅野和之が演じる。
ポイントはなんといっても、脳内の試行を擬人化した会議の光景にある。女性の頭の中でくり広げられる葛藤は、コミカルでありつつも、恋をしたことがある人なら共感できるものになっている。恋愛に限らず、このようにいくつもの感情が頭の中でせめぎあうことは誰にでもあるだろう。成人女性の脳内の性格を擬人化しており、同時期に公開されたディズニー映画『インサイドヘッド』(2015)と似ているが、そちらは思春期の感情を擬人化している。
5つの性格はどれも魅力的なキャラクターであるのだが、理性的で司会進行を務める西島秀俊とポジティブでおちゃらけている神木隆之介の評価が非常に高く、世間のイメージとも近いハマり役であった。
恋愛に限らず、自分自身をどう評価するのか、というのがテーマになっている。いつの、誰といる、どんな自分が好きなのか。自分と向き合い、自分をもっと好きになろうと思わせてくれる作品だ。