周囲を巻き込むハッピーオーラ溢れる歌声
趣里

可憐な見た目とは裏腹に、時には狂気的とも言える演技で観る者を震撼させる女優・趣里。ヌードも厭わない体当たりの演技で、映画『生きてるだけで、愛。』(2018)では、第42回日本アカデミー賞・新人俳優賞をはじめとした数々の賞を受賞し、大きな注目を集めた。
そんな彼女の魅力が全面的に発揮されたのが、朝ドラ『ブギウギ』(2023)だ。趣里はヒロイン・花田鈴子役を演じ、その歌唱力と人を元気づけるダンスが評価された。彼女の歌声は、朝のお茶の間を元気づけるに十分なエネルギーを放っていた。
趣里は、歌唱であってもお芝居であっても、感情を無理なく乗せるのが抜群に上手い。持ち前のハッピーなオーラと裏腹な哀愁。彼女の声についつい引き込まれてしまうのは、相反する2つのエモーションが同居しているからであり、複雑な機微が宿っているからだろう。