恋愛や仕事に悩みながらも前向きな主人公に共感

『ブリジット・ジョーンズの日記』(2002~)

ブリジットジョーンズの日記2より【Getty Images】

監督:シャロン・マグワイア
脚本:リチャード・カーティス、アンドリュー・デイヴィス、ヘレン・フィールディング
原作:ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』(1996年)
出演:レネー・ゼルウィガー、ヒュー・グラント、コリン・ファース、ジム・ブロードベント、エンベス・デイヴィッツ、ジェマ・ジョーンズ

【作品内容】
 恋や仕事に悩む30代独身女性ブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)が、理想の自分を目指して奮闘するロマンティック・コメディ。

【注目ポイント】
 2025年4月11日、シリーズ最新作『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』がついに公開された。2001年に始まった本シリーズも、今作でついに最終章。これまでに全4作が制作され、多くのファンに笑いと共感を届けてきた。

 ユーモアと切なさが絶妙に織り交ぜられた本シリーズの魅力は、どこか親しみやすく、リアルな人生の機微を描いている点にある。30代から40代へと年齢を重ねる主人公ブリジットは、自身の体型や恋愛、仕事など、誰もが抱える悩みと向き合いながら、懸命に日々を生きていく。その姿は、等身大で共感せずにはいられない。
 
 第1作『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)では、不器用ながらも前向きに恋と仕事に奮闘する姿が描かれた。続く第2作『きれそうなわたしの12か月』(2014)では、理想と現実のギャップに揺れる大人の恋愛模様が、より現実味をもって綴られる。

 第3作『ダメな私の最後のモテ期』(2016)では、40代での予期せぬ妊娠に戸惑いながらも懸命に前を向くブリジットが描かれ、物語は彼女の結婚でひとつの区切りを迎えた。

 そして、9年の時を経て公開された第4作では、愛する夫を亡くして4年が経ち、ブリジットはシングルマザーとして2人の子どもを育てる日々を送っている。自分の時間すら持てない毎日を懸命に生きる彼女の姿に、筆者も三児の母として強く心を揺さぶられた。

 笑って、泣けて、心がじんわり温まるこのシリーズは、いつの時代の、どんな立場の人にもそっと寄り添ってくれる。恋愛はもちろん、仕事や友情、家族との関係といった人生のあらゆる局面に優しく寄り添うこの物語こそ、『ブリジット・ジョーンズの日記』が長く愛される最大の理由なのだろう。

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