映画『名探偵コナン』大ヒットの背景は? ブームの火付け役となった宿敵・“黒の組織”との因縁を歴代劇場版から徹底解説&考察
text by ガラガラ
『名探偵コナン』劇場版シリーズといえば、いまや日本の映画界を背負うビッグ・タイトル。『名探偵コナン』が飛躍的に興行収入が上がった背景には、コナンの宿命の敵・“黒ずくめの組織”の存在が外せない。今回は、劇場版を中心に“黒ずくめの組織”の変遷をたどり、これから劇場版で明かされるかもしれない謎をご紹介する。(文・ガラガラ)
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【著者プロフィール:ガラガラ】
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映画『名探偵コナン』ブームの火付け役・「黒ずくめの組織」とは?
『名探偵コナン』の物語の根幹にある巨大な謎。それが、主人公・工藤新一を幼児化させた謎の組織——通称「黒の組織」だ。
高校生探偵として数々の事件を解決していた新一(声:山口勝平)は、ある日、黒ずくめの男たちに毒薬を飲まされ、小学生の姿「江戸川コナン(声:高山みなみ)」となってしまう。組織の正式名称は今なお明かされていないが、コナンが「黒ずくめの組織」と呼んでいることから、一般にもその名が定着した。
初期から登場するジン(声:堀之紀)とウォッカ(声:立木文彦)は、コナンに毒薬を投与した直接の実行犯であり、コナンとの因縁は深い。
黒の組織が初めて劇場版に登場したのは、第5作『天国へのカウントダウン』(2001)。この作品では、組織を抜け出した灰原哀(声:林原めぐみ)をジンが執拗に追い詰め、灰原の正体や過去がクローズアップされる。
灰原哀の本名は宮野志保。組織内では「シェリー」のコードネームで、コナンがジンたちに飲まされた薬を開発した張本人。姉を組織に殺されたことで組織に反発して監禁されるも、自ら薬を飲んでコナンと同様に幼児化し、逃亡に成功した過去を持つ。コナンと出会い、協力関係を築くことになる。