組織の拡大と新キャラクターたち
第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)では、新たな組織の構成員としてベルモット(声:小山茉美)、スナイパーのキャンティ(声:井上喜久子)とコルン(声:木下浩之)が登場。
ベルモットは変装の達人で、新一の母親と因縁があり、コナンの正体に気づきつつも害を加えず、時に助ける立場を取る。『漆黒の追跡者』では、黒の組織が進めていた作戦のヒントをコナンに伝えるなど、複雑な立ち位置を見せる。
また、劇場版オリジナルの組織メンバー・アイリッシュ(声:幹本雄之)も登場。コナンの正体を見抜くほどの実力者だったが、ジンに粛清されてしまう。組織内部でさえも粛清が行われる非情な体制が浮き彫りになる。
黒の組織を追う勢力として、FBIの赤井秀一(声:池田秀一)と公安警察の安室透(声:草尾毅)の存在も重要だ。赤井は、本編で一度死亡したとされたが、劇場版18作目『異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)で、謎の大学院生・沖矢昴(置鮎龍太郎)に扮して生きていたことが初めて明かされ、ファンを驚かせた。
このように、原作でもまだ明かされていなかった超重要な情報が、劇場版でサプライズで明かされることがある。公開されるや否や、ファンが劇場に駆け付ける要因の1つにもなっている。
劇場版第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)では、劇場版オリジナルの組織メンバー・キュラソー(声:天海祐希)の手により、黒の組織に潜入していたNOC(スパイ)たちのリストが流出。CIAの水無怜奈(コードネーム:キール/声:三石琴乃)、そして公安の安室(コードネーム:バーボン)が正体を知られそうになるが、赤井やコナンの活躍で間一髪のところで難を逃れる。なお、安室と赤井は互いに強い反感を持ちつつも、必要なときには協力するという、絶妙なバランスで関係が描かれている。