非業の死を遂げた若きカリスマ

ジェームズ・ディーン

ジェームズ・ディーン
ジェームズ・ディーン【Getty Images】

 人気絶頂の最中、わずか24歳でこの世を去った伝説の俳優、ジェームズ・ディーン。1931年2月8日、アメリカ・インディアナ州に生まれた彼は、『エデンの東』(1955)、『理由なき反抗』(1955)、『ジャイアンツ』(1956)の3作で主演を務めた。わずか3作品ながら、すべてが映画史に燦然と輝く名作として語り継がれている。

 なかでも『理由なき反抗』では、社会や大人たちに反発する若者の心情を体現し、当時のティーンエイジャーたちから絶大な共感を集めた。スクリーンに映し出される憂いを帯びた表情、内に秘めた情熱、繊細で危うい演技は、多くの人々を強く魅了した。

 しかし、彼が名声を手にしようとした矢先、悲劇は訪れる。1955年9月30日、『ジャイアンツ』の撮影を終えた直後、愛車ポルシェ・550スパイダーに乗り、カーレースに向かう途中のカリフォルニア州で交通事故に遭遇。帰らぬ人となった。享年24歳――あまりにも早すぎる別れだった。

 遺作となった『ジャイアンツ』は、彼の死後に公開され、アカデミー主演男優賞にノミネートされる栄誉を受けた。また、日本でジェームズ・ディーンの作品が公開されたのも、彼の死後のことだった。

 彼の早すぎる死は、その才能とカリスマ性を惜しむ声を世界中に響かせ、今なお伝説的な存在として、熱烈な支持を集め続けている。

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