多彩な才能を持つ唯一無二のアジアスター
レスリー・チャン
歌手、俳優として圧倒的な人気を誇り、その存在はまさに唯一無二だったレスリー・チャン。1956年9月12日、香港に生まれ、2003年4月1日、香港のホテルから飛び降り自殺を遂げ、46歳という若さでこの世を去った。
代表作には、香港映画黄金期を象徴する『男たちの挽歌』シリーズや、芸術的な美しさと切なさが交錯する『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993)、さらにウォン・カーウァイ監督による『ブエノスアイレス』(1997)、『欲望の翼』(1990)などがある。
端正な容姿に加え、卓越した演技力と心に響く音楽で多才な才能を発揮したレスリー・チャン。繊細な感情表現に長け、性的アイデンティティや心の揺れ動きといった難しいテーマにも自然体で挑み、多くの人々の共感と尊敬を集めた。
『さらば、わが愛/覇王別姫』では、女形の蝶衣役を演じ、性別や愛の境界を超越した切なさを圧倒的な説得力で表現。また『ブエノスアイレス』では、繊細な同性愛の描写をリアルに演じ、感情の浮き沈みを見事に体現してみせた。
死後もその影響力は色あせることなく、今なお多くのファンの心に生き続けている。レスリー・チャンは、アジアを代表する伝説的なスターとして、永遠に記憶される存在であり続けるだろう。
(文・阿部早苗)
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