なぜ消えた…? 続編でいなくなった邦画の人気キャラ5選。大人の事情で出番終了…シリーズの途中で消えた人気者たち

text by 編集部

周知の通り、映画は、監督や脚本家の意向のみで制作されるわけではない。作品が劇場で流されるまでには、キャストの許諾や法的問題など、さまざまなしがらみをクリアしなければならない。そこで今回は、シリーズの途中で消えたキャラクターを5名紹介。裏に隠された「大人の事情」まで詳かに解説する。(文:編集部)

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東京地検城西支部一番の出世頭はどこいった?

阿部寛(芝山貢)『HERO』

俳優の阿部寛
俳優の阿部寛【Getty Images】

監督:鈴木雅之
脚本:福田靖
キャスト:木村拓哉、松たか子、北川景子、佐藤浩市、杉本哲太、八嶋智人、濱田岳、小日向文世、吉田羊、正名僕蔵、松重豊、角野卓造、大倉孝二、田中要次

【注目ポイント】

 月曜9時の「月9」枠で放送され、視聴率全話30%超えの快挙を成し遂げたテレビドラマ『HERO』(2001)。東京地検城西支部を舞台に、独自の視点で難事件に挑む久利生公平(木村拓哉)と、雨宮舞子(松たか子)をはじめとする同僚たちの人間ドラマは多くの視聴者を釘付けにし、2006年と2014年に劇場版が、2014年にはシーズン2が作られた。

 そんな本作は、小日向文世や八嶋智人など、今ではおなじみの人気者を生んだ作品としても知られている。中でも注目は、主任検事の芝山貢を演じた阿部寛だろう。日本人離れしたルックスが仇となり仕事が激減していた阿部だったが、2000年に『TRICK』(テレビ朝日系)で自称天才学者上田次郎を演じてブレイク。本作でも高飛車で娘を溺愛する芝山をコミカルに演じ、視聴者に忘れられないインパクトを残した。

 しかし芝山、2014年のシーズン2で「偉くなった」というニュアンスのセリフが語られており、2006年の劇場版を最後に出演していない。一体なぜか。

 この理由については明かされていないが、一番考えられるのはスケジュールの問題だろう。実際、シーズン2が放送された2014年には、阿部が主演の『新参者』(TBS系)が放送されており、そちらの撮影を優先した可能性が高い。また、阿部自身が10年の間に主役級の役者となり、出演料が高騰したという点も理由として考えられる。

 そして、もう一つ考えられるのが、演出の方針転換だ。現に、シーズン2では、麻木千佳(北川景子)や馬場礼子(吉田羊)など、新たなキャラクターが主軸となっており、雨宮をはじめとするシーズン1の面々はほとんど登場していない。この点には、登場人物を一新したかったという演出側の意図が垣間見える。

 とはいえ、『HERO』を賑わせてくれた芝山だけに、今後続編が制作されるときは是非とも出演してもらいたいものだ。

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