息を呑む迫真の演技を披露した平賀源内(安田顕)
平賀源内(安田顕)の散り方は、視聴者に大きな衝撃を与えた。マルチな才能と奇抜な発想力を持ち、いつも自由でユーモアに溢れていた源内。ところが、エレキテルの図面を盗まれた挙句、性能の悪い偽物が出回ったことで嘘つき呼ばわりされ出した頃から人柄がガラリと変わってしまう。他人を信じられなくなった源内は奇行が目立つようになり、狐に取り憑かれてしまったという噂まで出回る始末。
それでも本人は再起を諦めていなかったが、盟友・田沼意次(渡辺謙)の名誉回復のため、徳川家基(奥智哉)と松平武元(石坂浩二)を死に至らしめた「死を呼ぶ手袋」を戯作の題材にしようとしたことで真犯人に目をつけられてしまう。おそらく、真犯人が送り込んだ刺客からもらった煙草に精神を錯乱させる物質が含まれていたのだろう。自分を非難する幻聴が聞こえ、「どこだぁ! お前らぁ! 出てきやがれ!!」と屋敷中を探し回る。その時の源内は目の焦点があっておらず、涙も鼻水も垂れ流し。安田の迫真の演技に息を呑んだ人も多いだろう。
その後、源内は殺人の罪を着せられ、投獄される。格好越しに意次が「俺はここにいる。源内。意次はここにおる」と源内を落ち着かせようとするシーンも大きな反響を呼んだ。そんな意次のおかげで正気を取り戻したかのように思えた源内だが、そのまま獄中で非業の死を遂げる。“蔦重“こと蔦屋重三郎(横浜流星)に「書を以って世を耕し、日本を豊かにする」という使命を与えた源内の退場を持って、第一章は幕を閉じた。
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【了】