史上最高のゲーム実写化は…? ゲーマーも太鼓判を押す見事な実写化成功作5選。ゲーム以上の感動とスリルが味わえる作品を選出
優れたゲームは、今や全世界共通のコンテンツである。そして、ハリウッドを始め世界中から実写映画化のオファーが後を絶えない。しかし、ゲームの実写化は非常に難易度が高く、ことごとく失敗している作品がほとんどである。今回はそんな中から、ゲームファンのみではなく、映画ファンからも喝采を受けたハイクオリティーな映画5本を紹介する。(文・ZAKKY)
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ゲームの再現度もストーリー構成も素晴らしい…。
脚本家の小技が光る隠れた名作
『映画 刀剣乱舞-継承-』(2019)
監督:耶雲哉治
脚本:小林靖子
音楽:遠藤浩二、 布袋寅泰
出演:鈴木拡樹、荒牧慶彦、北村諒、和田雅成、岩永洋昭、定本楓馬、椎名鯛造、廣瀬智紀、八嶋智人、山本耕史
【作品内容】
天正十年六月二日 京・本能寺。明智光秀が織田信長を襲撃した“本能寺の変”に、歴史改変の魔の手が迫っていた。燃える寺から信長を逃がし歴史を変える、そんな時間遡行軍の計画は、刀剣男士たちの活躍により打ち砕かれた。ところが、無事任務を終えて帰還した彼らに届いた「織田信長生存」の一報。本来の歴史に戻すため、刀剣男士たちは織田信長暗殺を目的に再び過去へと出陣するのだった。
【注目ポイント】
本作は、PCブラウザ版の”刀剣育成シミュレーションゲーム”「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」を実写化した映画。主演の三日月宗近を2.5次元ミュージカルで活躍する鈴木拡樹が演じている。
『刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」は、西暦2205年を舞台に、日本刀を男性に擬人化した「刀剣男士(とうけんだんし)」を収集・強化し、古戦場で歴史改変を目論む敵を討伐していくゲームで、2.5次元舞台の題材として人気を博している。
本作の注目ポイントは、「これぞ『刀剣乱舞』の映画化だ」とファンをも唸らせる、クオリティーの高さに尽きるだろう。原作キャラクターの再現度が高く、役者陣のビジュアルや演技にについ見入ってしまう。また、様々な角度から捉えられた本格的な殺陣は鳥肌モノ。特に短刀のアクションは思わず息を飲むほどの迫力だ。また、布袋寅泰が作曲を手がけ、西川貴教が歌う主題歌「UNBROKEN(feat.布袋寅泰)」は作品の世界観にマッチしており、映画の印象を格上げしている。
ストーリーも歴史大作ものとしての見ごたえ十分。史実とファンタジー要素が高いレベルでミックスされ、「実際にこういったことがあったかもしれない」と錯覚してしまうほど、不思議なリアリティが感じられる。
また、ラストシーンでの「よきかな、よきかな」のセリフが、本作のサブタイトルである「継承」の意味を明確にしているところなど、随所に脚本家の小技が光る。2023年3月から公開される新作『映画 刀剣乱舞-黎明-』にも期待に胸がふくらむばかりだ。