朝ドラ史上異例の続編が作られるほどの人気ぶり
有村架純
朝ドラ主演作:『ひよっこ』(2017)
【注目ポイント】
2017年4月から9月にかけて放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』で、ヒロイン・谷田部みね子を演じたのは当時24歳の有村架純だった。
彼女にとって朝ドラ初出演となったのは、2013年の『あまちゃん』。小泉今日子が演じる主人公の“若き日”の母親役として登場し、その清楚な存在感で一躍注目を集めた。
『ひよっこ』は高度経済成長期の昭和を舞台に、茨城県の農村で育ったおっとりとした少女・みね子が、行方不明となった東京出稼ぎ中の父を探すために上京し、さまざまな人々との出会いを経て成長していく姿を描いた心温まる物語。
「あたたかい家族愛に胸が打たれる」「登場人物すべてが魅力的」「観終わった後に優しい気持ちになれる」といった感想が寄せられ、世代を超えて広く支持を集めた。その人気ぶりは、2019年に異例の続編『ひよっこ2』が制作されるほどで、有村架純にとっても代表作のひとつとなった。
この作品をきっかけに、有村は女優としてさらなる飛躍を遂げていく。映画では『ナラタージュ』(2017)や『コーヒーが冷めないうちに』(2018)など、ラブストーリーからヒューマンドラマまで幅広いジャンルに出演。2021年には『花束みたいな恋をした』での繊細な演技が高く評価され、日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞した。
テレビドラマにおいても、『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系、2020)、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、2022)など、等身大の女性像を丁寧に演じることで多くの視聴者から共感を集めている。
そして2023年には、大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康の正室・瀬名を演じ、これまでとは異なる重厚な役柄で新たな一面を見せた。その柔らかな雰囲気と確かな演技力で、幅広い世代に愛されてきた有村架純。今や名実ともに、日本を代表する実力派女優のひとりとしての地位を確立している。