「朝ドラ史上屈指の完成度」を誇る
杉咲花
朝ドラ出演作:『おちょやん』(2020)
【注目ポイント】
杉咲花が連続テレビ小説に初めて出演したのは、2016年放送の『とと姉ちゃん』(6月〜10月)。そして2020年、23歳という若さで『おちょやん』(2020年11月末〜2021年5月放送)のヒロイン・竹井千代役に抜擢され、再び朝ドラの顔を務めることとなった。
『おちょやん』は、明治時代末期の大阪を舞台に、家族に翻弄されながらも女優の道を歩む主人公・千代の波乱万丈な人生を描いた物語。喜劇女優としての才能を開花させていく姿を、杉咲は持ち前の豊かな表現力と繊細な感情表現で体現し、その演技力はSNSやメディアでも大きな話題となった。
一方で、作品は視聴率面ではやや苦戦。河内弁の強さや大阪文化の描写に対する批判の声もあったが、物語終盤には「朝ドラ史上屈指の完成度」と評価されるほどの高いドラマ性を見せつけ、多くの視聴者に深い感動を与えた。
杉咲花の存在感はスクリーンでも輝きを放つ。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)では、圧倒的な演技で日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞と新人俳優賞のW受賞という快挙を達成。近年では、社会派作品への出演も目立ち、映画『市子』(2023)、『52ヘルツのクジラたち』(2024)ではいずれも難役に挑み、その演技力の高さが際立つ名作となった。
テレビドラマでも、『アンメット-ある脳外科医の日記-』(カンテレ・フジテレビ系、2024)や『海に眠るダイヤモンド』(TBS系、2024)など、出演作はいずれも高評価を獲得。その理由は明らかだ。
杉咲の演技には一切の嘘がなく、観る者の心に確かな余韻を残すリアリティがある。映画、テレビドラマ、そして舞台――ジャンルを問わず活躍を続ける杉咲花。その確かな演技力と存在感によって、いまや“国民的女優”の座を揺るぎないものにしている。彼女の才能は、今後もますます大きな輝きを放っていくだろう。