黒ひげの正体

 

ONE PIECE
ONE PIECE【Getty Images】

 新世界編以降、白ひげに代わって四皇の一角を占めるに至った“黒ひげ”エドワード・ティーチ。そんな彼にはたくさんの謎がある。

 最大の謎は、白ひげ海賊団のマルコが言う「異形の身体」だろう。海賊と海軍が熾烈な戦いを繰り広げたマリンフォード戦争の終盤、早速と現れた黒ひげたちは、瀕死の重傷を負っていた白ひげを殺害。その遺体からヤミヤミの実の能力を使い、グラグラの実の能力を吸収した。
 
 作中で度々言及されているように、悪魔の実を複数個食べるのは本来御法度のはず。しかし、黒ひげは、「世界を滅ぼす力」と呼ばれたグラグラの実と「歴史上最も凶悪な能力」と呼ばれたヤミヤミの実の二つを手中に収めることに成功している。一体なぜこんな芸当ができるのか。

 最も有力な考察は、黒ひげが実は「イヌイヌの実 幻獣種 モデル“ケルベロス”」の能力者であったというものだ。
 
 ギリシャ神話に登場するケルベロスは、冥府の番犬と言われており、三つの心臓と人格を持つと言われている。黒ひげがケルベロスのように3つの心臓と人格を有しているとすれば、悪魔の実を複数個食べられるという設定にも合点がいく。

 「黒ひげ=ケルベロス説」を裏付ける証拠はこれだけではない。黒ひげの初登場となる単行本24巻でも、黒ひげを見たルフィとゾロが、「『あいつ』じゃねェ 『あいつら』だ」と意味深な発言をしている。

 極め付けは、単行本109巻の回想シーンでのバギーとシャンクスの会話だろう。このシーンでバギーは、黒ひげが「生まれてこの方一度も眠ったことがねェ」らしいと語る。この言葉も、3つの頭が交代で寝ずの番をするというケルベロスの伝承を考えれば辻褄が合う。

 しかし、実はこの説、残念ながら1138話で覆されている(単行本未収録のため明言は避けておこう)。今後ルフィたちの最大の敵となることが予想される黒ひげ。彼の秘密からますます目が離せない。

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