変顔で視聴者を泣かせた伝説の朝ドラ女優

伊藤沙莉

伊藤沙莉
伊藤沙莉【Getty Images】

 独特な存在感で異彩を放つ女優・伊藤沙莉。今や時の人となった彼女も、不遇な時代を送ってきた。実は子役出身の女優で、ドラマ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系、2006)やドラマ『女王の教室』(日本テレビ系、2005)で生徒役として出演するも、注目は得られなかった。しかし、お互いを親友と称する松岡茉優は、子役時代の彼女を称賛している。

 実際に当時のドラマを見てみると、コメディからシリアスモノまで、子役とは思えない演技力で演じ分けている。しかし、当時から実力者であったにも関わらず、“普通”であることに悩んでいたという。

 そんな彼女のブレイクのきっかけとなったのが、朝ドラ『ひよっこ』(NHK総合、2017)や、Netflixドラマ『全裸監督』(2019~)の出演だ。『全裸監督』は、女優たちの体当たり演技が話題となったが、伊藤の包容力ある存在感に、たちまち釘付けになった。伊藤が演じたのはヘアメイクの順子。彼女に感じる安心感は、作品の中だけでなく視聴者にも伝染していたように思う。

 また、主演を務めた朝ドラ『虎に翼』(2024)の演技も、彼女を語る上で外せないだろう。もはや伝説とも言える「変顔シーン」。本作を視聴していなかった人も、このワンシーンは目にしたことがあるのではないだろうか。全力すぎる変顔がおもしろいのに泣けるという不思議な現象を巻き起こしている…。

 もはや彼女を“普通”と思う人はいないだろう。30代の女優の中でも飛び抜けた存在感で、これからさらなる活躍が期待される1人だ。

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