鶴屋(風間俊介)の指摘がキツイ!(泣)
19話「鱗の置き土産」もまた、素晴らしいチームプレーが拝める回だった。この回の再会は「心の再会」。
相手は鱗形屋(片岡愛之助)だ。鱗形屋が店を畳むことになり、懇意にしている版元にお抱え作家を紹介するくだりから始まる。
恋川春町(岡山天音)の今後は鶴屋喜右衛門(風間俊介)に託されたが、いやもう鶴屋の指摘がキッツいのなんの(泣)。
ヒット作「金々先生栄花夢」を書き直せと言ったり、「先生の作風は古いのでございます」と言ったり。
作家のプライド、ガン無視である。「古い」など、ただでさえ破壊力MAXな指摘なのに、風間俊介が、お得意の南極レベルに冷ややかな声で静かに言うのである。私なら立ち直れない。
もちろん、厳しい指摘で奮起するタイプもいる。実際鶴屋は、菱川師宣が挿絵を描いた日本初の江戸の観光本「江戸雀」を刊行しているし、歌川広重の代表作となる「東海道五十三次」も、別の版元と共同で出版している。編集プロデューサーとしてスゴ腕ではあるのだ。
しかし、真面目に考え込んでしまう恋川春町とは合わなかった。版元と作家にも相性があるのだとつくづく知る。
毎回思うが、風間俊介演じる鶴屋は本を売るテンションではない。陰謀を企てるテンションである。
今のところ蔦重との関係は水と油だが、史実によるとこの先、一緒に日光に参詣したり、2人で相談して山東京伝と滝沢馬琴の著作に、日本初のギャランティ(潤筆料)を定めたりするらしい。
ということは、2人が額を突き合わせ、ともに書店の未来のため、策を練るシーンが出てくるのだろうか。
いつ態度を軟化させるのか。サスペンス鶴屋の動きを引き続き見守りたい。