口論、降板、誤解──『チャーリーズ・エンジェル』舞台裏の真実
ビル・マーレイ×ルーシー・リュー
2000年に公開され、大ヒットを記録した映画『チャーリーズ・エンジェル』。謎のボス“チャーリー”からのミッションを受けて活躍する3人の女性エージェントたちを描いた本作の撮影現場では、ある出演者同士のトラブルが報じられていた。その当事者とは、ビル・マーレイとルーシー・リューだ。
当時の報道によれば、ビル・マーレイが脚本の内容に不満を持ち、監督やプロデューサーに無断でセリフやシーンを勝手に書き換えたことに、ルーシー・リューが激怒。口論の末、ルーシーがビルに手を上げたというエピソードが広まった。
しかし、その後、撮影に関わった制作アシスタントのショーン・オブライエンは、この“暴力報道”を否定。激しい口論があったことは認めたものの、物理的な衝突はなかったと証言している。
一部のメディアは、口論の原因を「ルーシーのわがまま」と伝えていたが、後の証言などによれば、事の発端は別のところにあったようだ。
ビル・マーレイが家庭の事情で一時的に撮影を離れていた間、現場では一部シーンの演出に修正が加えられた。その事実を知らずに現場に戻ったマーレイは、変更に強く反発し、ルーシーに対して侮辱的な言葉を浴びせたとされる。発言の詳細こそ伏せられているが、ルーシー・リューは20年後のインタビューで、その場で毅然と抗議したと語っている。
この出来事の後、マーレイは続編『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003)には出演せず、彼に代わってバーニー・マックが“ボズレーの弟”役で登場することとなった。
なお現在、ルーシー・リューはビル・マーレイとの間に遺恨はないと公言している。かつては彼女が“トラブルの火種”と報じられたが、当時の実情とは大きく異なる側面もあったようだ。