ビッグチャンスを掴んだニュースター

白石聖『豊臣兄弟！』(2026)

　2026年に放送予定のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟！』から永野芽郁が出演を辞退し、その代役として白石聖に白羽の矢が立った。このサプライズ起用に、注目が集まっている。

　白石聖は1998年生まれの26歳。まだ知名度こそ高くはないものの、映画『PRINCE OF LEGEND』『サイレント・トーキョー』や、ドラマ『I”s』『絶対正義』など、さまざまな作品で着実にキャリアを積んできた実力派女優だ。第12代「ゼクシィ」CMガールとしても知られ、透明感のあるルックスと対照的に、芯のある演技力に定評がある。

『豊臣兄弟！』は、戦国時代の英雄・豊臣秀吉の弟、秀長にスポットを当てた物語。兄弟が天下統一を目指す過程を描く中で、白石が演じるのは、主人公・秀長（仲野太賀）の幼なじみにして初恋の相手・直。戦乱に翻弄される中で、心の支えとなるような存在であり、ある種「戦場に咲く花」のような純真さが求められる役どころだ。

　女優の私生活やイメージが、そのまま役柄に重ねられてしまう傾向がある今の時代。不祥事への関心が先行しがちな中で、こうした代役起用に対して過度な期待や偏見が向けられることも少なくない。しかし、だからこそ、これを新たなスター誕生の契機と捉えたい。

　白石には、重圧に押し潰されることなく、自分らしい直をのびのびと演じてほしい。彼女の持つ繊細さと強さが、この大役にどう結びついていくのか。新たな風を吹き込む白石の挑戦に、期待が高まる。

（文・野原まりこ）

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