金髪ギャルを演じイメージチェンジ
勉強のモチベーションアップになる佳作
『ビリギャル』
監督:土井裕泰
脚本:橋本裕志
出演:有村架純、伊藤淳史、野村周平、あがた森魚、安田顕、吉田羊、田中哲司、松井愛莉、阿部菜渚美、奥田こころ
【作品内容】
女子高に通うさやか(有村架純)の成績は学年ビリで、偏差値はわずか30。母から塾へ通うことを提案されると、入塾面接で教師の坪田(伊藤淳史)と運命的な出会いを果たす。坪田はさやかの素直な性格に気付き、ふたりは慶應大学現役合格を目指して、二人三脚で受験勉強に励むのだが…。
ネットの投稿サイトに掲載された実話を書籍化した『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』を映画化。監督は『いま、会いにゆきます』『涙そうそう』の土井裕泰。脚本は『テルマエ・ロマエII』『そして、バトンは渡された』の橋本裕志。
【注目ポイント】
連続テレビ小説『あまちゃん』で、小泉今日子扮する主人公の母の少女時代の姿を演じた有村架純。セーラー服を身にまとい、80年代に流行した”聖子ちゃんカット”で登場するや、新世代の清純派女優として一気にブレークを果たした。
本作が公開された当時、清純派で鳴らした有村架純のギャルメイクとド派手な金髪ヘアに、衝撃を受けたファンは多かった。しかし、本作では”出オチ”に甘んじず、落ちこぼれギャルが名門大学への合格を果たすという、一風変わったシンデレラストーリーがメリハリのある演出で描かれる。有村は本作で清純派のイメージを脱し、役の幅を広げるきっかけとなった。彼女にとってのマスターピースと呼べる一作。
有村架純が演じたのは、能天気な性格の女子高生・さやか。彼女はエスカレーター式の中学に入学したため、高校の入っても全く勉強せず、毎日友人たちと遊んで暮らし、挙句の果てにはクラスの担任に「クズ」と呼ばわりされる始末。
慶応大学合格をノリで目指すことになったものの、何度も挫折しそうになるが、諦めずひたむきに頑張る姿には心を打たれる。学生ではなくとも、仕事やプライベートで高い目標を掲げて日々努力している人であれば、モチベーションが上がること請け合いの映画だ。