有村架純の恋人気分を味わえる
第45回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞
『花束みたいな恋をした』(2021)
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
出演:菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、オダギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫
【作品内容】
終電を逃したことで、偶然出会った大学生の麦(菅田将暉)と絹(有村架純)。趣味がほとんど同じだったことから、恋に落ち、卒業後に同棲を始める。お互いフリーターだったが、将来の事を考え、互いに就職することに。しかし、それをきっかけに2人の間には亀裂が入り始めて…。
監督は『ビリギャル』でも有村架純とタッグを組んだ、テレビディレクター出身の土井裕泰。『東京ラブストーリー』『カルテット』など数々のヒットドラマを手がけてきた坂元裕二がオリジナル脚本を務めた。
【注目ポイント】
有村と共に主演を務めた菅田将暉が、脚本家の坂元裕二に「ラブストーリーをやりたい」と提案したことをきっかけにして制作された本作は、独立系の映画配給会社の作品としては破格の30億円を超える大ヒットを記録。サブカルチャー的な記号を巧みに取り入れたセリフ、主演2人の名演、丹念で無理のない演出が絶妙な塩梅で組み合わされ、批評面でも高い評価を受けている。
有村架純が演じる絹はサブカル系の女子大学生。学生らしく飲み会に参加しているが、終始俯瞰した態度を取り、麦(菅田将暉)と出会うまでは退屈な日常を送っていた。一方、麦と出会ってからは、恋する可愛い女の子に様変わり。パジャマ姿や、幸せそうにパンを頬張る様子は自然体そのもの。ありのままの彼女の可愛さが堪能できる。
また麦と一緒にお風呂に入って泡で遊んだり、待ち合わせ場所にやってくるシーンでは、有村架純の恋人になったような気分を味わえる。
社会に出て行くにつれて、徐々に2人の関係がギクシャクしていく様子もリアルに描かれている。物語終盤、別れ話をするシーンでは、絹は静かに涙を流し、思わず胸が締め付けられるだろう。
本作は大学生カップルの出会いと別れを定点観測的なスタンスでリアルに描いているため、カップルで観ると別れる映画として有名。それは、鑑賞している側が他人事だと思えないほど、2人の演技がリアルであることの証左だろう。
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