絶望が連続するラブストーリー
『星の金貨』(1995)
脚本:龍居由佳里
キャスト:酒井法子、大沢たかお、竹野内豊
【作品内容】
北海道の診療所で、住み込みで働く耳と口が不自由な倉本彩(酒井法子)は、医師・永井秀一(大沢たかお)に惹かれる。
育て親の死後、東京へ帰る秀一に結婚を約束され見送るが、彼は戻らなかった。彩は彼の言葉を信じ、診療所でひたすら帰りを待ち続けるが…。
【注目ポイント】
1995年に日本テレビ系で放送され、社会現象を巻き起こしたドラマ『星の金貨』。主演の酒井法子が放つ清楚で透明感のある魅力に加え、大沢たかお、竹野内豊といった当時注目を集めた若手俳優の共演が話題を呼び、平均視聴率20%超を記録する大ヒットとなった。
しかし、その華やかなキャストとは裏腹に、物語は過酷で絶望的な展開の連続。視聴者の心を深く抉るような、重く切ないドラマとして記憶されている。
主人公は、北海道の離島で育った耳の不自由な女性・倉本彩(酒井法子)。東京から赴任してきた青年医師・永井秀一(大沢たかお)と出会い、強く惹かれ合うが、彩を待ち受けていたのは想像を遥かに超える数々の試練だった。
秀一にはすでに婚約者が存在しており、さらに彼の腹違いの兄・拓巳(竹野内豊)も登場。三角関係の渦中で、彩は病気や事故、裏切り、そして記憶喪失といった不運の連鎖に巻き込まれていく。
特に、事故によって記憶を失った秀一が彩の存在を思い出せず、彼女の必死の努力が報われない場面は、見る者の胸を締めつける。
それでもなお、愛する人との再会を信じて困難に立ち向かう彩の姿は、どこまでも健気であり、わずかな希望の光を放っていた。しかし、その希望すらも折り重なる不幸によって幾度となく曇らされていく。
最終回を迎えてもなお、彩が本当の意味で救われたのかどうか――視聴者に答えを委ねるような余韻が残されたこの作品の魅力は計り知れない。『続・星の金貨』(1996)、『星の金貨 完結編スペシャル』(1997)、『新・星の金貨』(2001)と立て続けに続編が制作されたという事実は同作の人気を物語っている。