教室に渦巻く秘密と欲望
『3年C組は不倫してます』(日本テレビ系、2024)
脚本:伊藤忍、中村允俊、木江恭(storyboardライターズチーム)
キャスト:莉子、杢代和人、秋田汐梨、ゆうたろう、田中美久
【作品内容】
初恋の再会から始まる高校生の恋と不倫、さらに親たちの過去の恋が再燃し、複雑な人間関係が事件を呼ぶ学園不倫サスペンス。秘密と裏切りが交錯する3年C組で、前代未聞の愛と罪のドラマが動き出す。
【注目ポイント】
不倫をテーマに正面から描いたドラマ『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ)。その中でも特に注目を集めたのが、濃厚な濡れ場シーンと、次々に明かされるタブーの数々だ。青春と背徳が混ざり合う教室で、登場人物たちは複雑な人間関係と欲望に揺れながら、視聴者の心を激しく揺さぶったドラマでもあった。
第1話から生徒・真鈴(田中美久)と教師・中野正義(細田善彦)による大胆なベッドシーンが展開された。教師と教え子という立場の決して許されない関係の中で、ふたりが裸で抱き合い、キスを交わすシーンは、背徳感と官能が渦巻く様子を生々しく描いていた。
このシーンは単なる官能的な描写を超え、教師と生徒という社会的に許されざる関係性の危うさと、ふたりが共有する秘密の重みを強烈に伝えている。秘密を持つことのスリル、互いを必要としながらも背徳に苛まれる心情が、画面からひしひしと伝わってくるのだ。
さらに、蒼(莉子)の母・遥(国仲涼子)と元恋人・豊(竹財輝之助)の再会なども描かれており、物語に深みと対比をもたらす。そして、クラスメイトの琴音(秋田汐梨)が妊娠を告白する衝撃の展開へと繋がっていく。これらすべてがタブーの連鎖を形作り、母娘それぞれの「叶わなかった愛」「終わらなかった関係」をクロスさせる構成が何とも見事だった。