嘘と罠で真実を暴く、冷静沈着な詐欺師の復讐劇

『嘘の戦争』(カンテレ・フジテレビ系、2017)

草彅剛
草彅剛【Getty Images】

脚本:後藤法子
キャスト:草彅剛、藤木直人、水原希子、菊池風磨、マギー

【作品内容】

 幼い頃に家族を殺された浩一(草彅剛)は、偽名と新たな経歴を手に入れ、やがて天才詐欺師へと成長していた。ある日、彼は過去の事件の真犯人と再会する。復讐の炎を再び燃やした浩一は、巧妙に仕組まれた罠を次々と張り巡らせ、事件の関係者たちに社会的制裁を下していく。

【注目ポイント】

『嘘の戦争』(関西テレビ、フジテレビ系)は、2017年に放送された復讐をテーマにしたサスペンスドラマ。主演を草彅剛が務め、前作『銭の戦争』に続く復讐シリーズの第2弾として制作された。その巧妙なストーリー展開と斬新な復讐手法で大きな話題を呼んだ作品である。

 幼い頃、両親を殺害された少年(草彅剛)は、犯人の姿を目撃したものの、誰にも信じてもらえなかった。やがて30年の時を経て、彼は名前を変え、詐欺師・一ノ瀬浩一として日本へ帰国。復讐を胸に秘めた浩一は、巧妙な詐欺の手法を駆使し、真犯人や事件の関係者たちを次々と社会的に追い詰めていく。

 本作の面白さは、復讐の手段に暴力ではなく嘘と詐欺を用いる点にある。主人公は自らの過去を逆手にとり、冷静かつ計算されたリベンジを繰り広げるため、従来の復讐ドラマとは一線を画している。さらに心理戦や人間関係の葛藤も物語を深くしている要素と言えるだろう。

『嘘の戦争』は、復讐シリーズの第2弾として高い評価を受けた。このシリーズ、全3作で構成され第1作『銭の戦争』では金銭を巡る復讐劇が描かれ、第3作『罠の戦争』では舞台を政治の世界に移し、より緻密で策略に満ちた復讐劇が展開されている。

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