千両道化のバギー
さて、最後に紹介するのは、海に漕ぎ出したルフィが最初に対峙した敵であり、その後、紆余曲折を経て四皇の一角までのし上がった千両道化のバギーだ。
ルフィからは、遭遇するたびに「なんだバギーか」と軽く扱われ、マリンフォード頂上戦争編では大物たちを前に逃走を図るなど、すっかりビビりキャラが定着した感があるバギー。ロジャー海賊団の元船員という知られざる事実が発覚すると、革命軍幹部のエンポリオ・イワンコフから「どんな船にも汚点はあるものねェ」と称されるなど、大物たちからは相手にすらされていない感があるというのが正直なところだろう。
だが、待って欲しい。バギーは、億越えの賞金首を抱える海賊派遣会社バギーズデリバリーの総帥であり、サー・クロコダイルやジュラキュール・ミホークを擁する犯罪組織クロスギルドの創設者でもある(もちろんクロコダイルとミホークは、バギーを神輿として利用しているだけだが)。これほどの人材を従えるには、実力を補ってあまりあるカリスマ性がなければ土台無理な話なのだ。
そして、もう一つ「バギー最強説」の根拠となっているのが、バギーが食べた悪魔の実であるバラバラの実が、ルフィが食べたヒトヒトの実モデルニカ同様、「神をモデルにした悪魔の実」なのではないか、という仮説だ。
この説は、インペルダウン編で再登場したキャラクターの悪魔の実の解説に由来している。この解説では、「Mr.2・ボン・クレー能力解説 “マネマネの実”のマネ人間」「クロコダイル “スナスナの実”能力解説」など、しっかりと悪魔の実の名前が記されているが、なぜかバギーだけは「道化のバギー“バラバラ”の能力解説」と、バラバラの実という単語を避けた解説になっている。つまり、バラバラの実という名前は偽名なのではないか、というわけだ。
なお、世界最強の戦士であるミホークは、ルフィの「その場にいる者達を次々に自分の味方につける」能力がこの海において「最も恐るべき力」であると語っているが、これはバギーにもぴったり当てはまる。嘘とハッタリで海賊たちを味方につけるバギー。彼こそ、この『ONE PIECE』の裏の主人公なのかもしれない。
(文・編集部)
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