予想もしていなかった結末に愕然…。
高橋克典(岩倉浩太)『舞いあがれ!』(2022)
脚本:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐
出演:福原遥、横山裕、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、哀川翔、鈴木浩介、山口智充、くわばたりえ、古舘寛治、松尾諭、又吉直樹、川口春奈、長濱ねる、八木莉可子、吉谷彩子、山崎紘菜、駿河太郎、久保田磨希、高杉真宙、鶴見辰吾、山口紗弥加、吉川晃司、永作博美、高橋克典、高畑淳子
【注目ポイント】
近年の朝ドラで最も衝撃度が高かった退場は、第107作『舞いあがれ!』の浩太(高橋克典)ではないだろうか。浩太はヒロイン・舞(福原遥)の父で、特殊ネジの製造を成功させ、親から受け継いだ町工場「岩倉螺子製作所」を「株式会社IWAKURA」に成長させた敏腕社長だ。
明るく頼もしい浩太は社員からの信頼も厚く、自分と同じく飛行機が好きな舞とも仲良し親子で、彼女のパイロットになるという夢を心から応援していた。しかし、リーマンショックの影響により受注が激減。会社の立て直しに奔走する中、心筋梗塞を起こしてそのまま帰らぬ人となってしまう。
その死に多くの視聴者が衝撃を受けたのは、ほとんど予兆がなかったからだ。朝ドラヒロインが父と死別するケースは珍しくないが、モデルのいない完全オリジナルで、かつ戦時下を通過しない現代劇であることから、油断している人も多かったのではないだろうか。
病院で主治医から「手は尽くしましたが…」と浩太の死を告げられた妻のめぐみ(永作博美)は信じられないといった様子で「うそぉ…」と一瞬笑みを溢す。さらに「うそやあ、なあ!」と隣で呆然としている舞に話しかけるが、直後に体が崩れ落ちて号泣。愛する人の突然の死に直面した人間の反応としてあまりにリアルな永作の演技も含め、記憶に強く刻まれる退場となった。
【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
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【了】