代役がまさかのハマり役
杉野遥亮『妻、小学生になる。』(2022)
原作:村田椰融
脚本:大島里美
演出:坪井敏雄、山本剛義、大内舞子、加藤尚樹
出演:堤真一、石田ゆり子、蒔田彩珠、森田望智、毎田暖乃、柳家喬太郎、飯塚悟志(東京03)、馬場徹、田中俊介、水谷果穂、小椋梨央、當真あみ、水川かたまり(空気階段)、杉野遥亮、神木隆之介、吉田羊
【注目ポイント】
急性穿孔性虫垂炎のため撮影参加が困難となり、降板した萩原利久の代役として急遽抜擢されたのが杉野遥亮。事務所の後輩である萩原のピンチを、見事に救った一幕だった。
本作は、妻を亡くし無気力に生きていた夫のもとに、“生まれ変わった妻”が小学生の姿で現れるという、一風変わった心温まる家族の物語。杉野が演じたのは、主人公・新島圭介(堤真一)の娘・麻衣(蒔田彩珠)の恋人・愛川蓮司という役どころである。
まっすぐな愛情を伝える蓮司のキャラクターと、杉野自身が持つ実直で誠実な雰囲気が絶妙に重なり、まさに“ハマり役”と言える存在感を発揮。視聴者からは「惚れてまう」「好きになる要素しかない」と絶賛の声が相次いだ。
作品のハートフルな世界観を崩すことなく、胸キュン要素をしっかりと担い、杉野は代役以上の輝きを放った。その後も『ばらかもん』(2023年)や『マウンテンドクター』(2024年)など主演作が相次ぎ、俳優としてのキャリアは一気に加速した。
一つひとつの仕事に丁寧に向き合い、確実に爪痕を残していく杉野遥亮。今後も多くの作品で、観る者の心を惹きつけてくれるに違いない。
(文・野原まりこ)
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