史上最も衝撃的な最期を遂げた女優は? 早世した天才女優5選。若くしてこの世を去った銀幕のアクトレスたち
若くして世を去った女優たちは、短い命の中で忘れがたい輝きを放った。今回は、時代の寵児として注目を集めながらも、痛ましい事件や不慮の事故でこの世を去った5 人の女性に焦点を当て、彼女たちが遺した演技と影響力に迫る。(文・阿部早苗)
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ひときわ注目を浴びた将来有望な若手の非業の死
レベッカ・シェーファー(1967~1989)
【注目ポイント】
1986年から1988年にかけて放送されたアメリカのテレビドラマ『マイ・シスター・サム』で注目を集めた若手女優、レベッカ・シェーファー。輝かしい未来が約束されていた彼女は、1989年7月18日、自宅の玄関でストーカーに命を奪われた。わずか21歳という、あまりにも短い生涯だった。
レベッカ・シェーファーは1967年11月6日、オレゴン州ユージーンに生まれる。学生時代からモデルとして活動を始め、やがてテレビドラマへの出演を重ねて頭角を現した。端正な顔立ちと自然体の魅力、どこか知的な雰囲気をあわせ持つ彼女は、特に若い世代を中心に人気を集めた。
彼女の代表作となったのが、コメディドラマ『マイ・シスター・サム』。パム・ドーバー演じる姉のもとに転がり込む自由奔放な妹・パティ役を明るく、愛嬌たっぷりに演じ、多くの視聴者に親しまれた。番組は第2 シーズンで打ち切られたものの、レベッカの存在はしっかりと人々の記憶に刻まれた。
だがその矢先、彼女を襲ったのは、一方的に恋心を抱いた男の狂気だった。犯人のロバート・ジョン・バルドーは、民間の情報サービスを通じてシェーファーの住所を入手し、ロサンゼルスのアパートを訪ねた末、玄関先で彼女を銃撃。彼女はその場で倒れ、帰らぬ人となった。
この衝撃的な事件はアメリカ中に深い悲しみと衝撃を与え、著名人の個人情報保護の必要性が強く叫ばれることとなった。そして、カリフォルニア州ではアメリカ初となるストーキング防止法が制定されるきっかけの一つとなった。
レベッカ・シェーファーの死は、スターとファンという関係に潜む危うさを浮き彫りにし、その尊い命が奪われたことで社会が動いた。彼女の残した輝きと教訓は、今もなお、人々の心に静かに問いかけ続けている。