派手な見た目の裏にある孤独を体現
北川景子『Dear Friends ディア フレンズ』(2007)
ドラマや映画のみならず、CMにおいても目覚ましい活躍を見せる北川景子。知性あふれる言動とチャーミングな振る舞いで、多くの女性の憧れの的となっている存在である。そんな北川がギャル役を務めた作品として話題を集めたのが、2007年公開の映画『Dear Friends ディア フレンズ』である。
本作は、当時女子中高生を中心に圧倒的な人気を博していたベストセラー作家・Yoshiによる小説『Deep Love』を原案とし、満を持して映画化された作品である。
北川景子が演じたのは、美貌と奔放さを兼ね備えたギャル・リナというキャラクター。彼女がそれまで築いてきた“清楚系美人”のイメージを保ちつつ、やや荒れた女子高生像を巧みに演じ、観客に強い印象を与えた。外見や言動は派手であるが、内面には深い孤独や不安を抱える繊細な少女の姿を、北川は静かに、しかし確かに表現してみせた。
本作は友情と病をテーマに据えた人間ドラマであり、リナを通して人との繋がりの大切さや、自分と向き合うことの難しさが描かれている。当時の北川景子は、クールビューティとしての印象が世間に定着していたが、本作で披露した繊細な演技によって、表現者としての奥行きと、役柄への真摯な向き合い方を証明した。
『Dear Friends ディア フレンズ』は、北川景子の演技キャリアにおける大きな転機となった作品であり、今なお観る者の心に残り続ける1作である。