スパイの娘を抱える母としての苦悩と未来
社美彌子、禁断の愛の結末
【注目ポイント】
シーズン13「ファントム・アサシン」で初登場した社美彌子は、警視庁広報課課長を経て、いまや内閣情報調査室のトップにまで上り詰めた。総理直轄のスパイ組織を束ねる“情報戦の要”とも言える存在だ。
そんな彼女には、マリアという娘がいる。しかしその父親は、ロシアのスパイであるヤロポロクだった。社は機密を漏らす売国行為には一切手を染めておらず、ヤロポロクもまたそれを求めることなく、純粋に愛し合っていたとされる。だが、幸せは長くは続かない。ヤロポロクはロシア国内の汚職を追及した末、アメリカ大使館に逃げ込むも、暗殺者によって命を絶たれる。
その後、シーズン15「悪魔の証明」では、社自身がヤロポロクとの関係を追及される場面が描かれた。彼女は「乱暴されて妊娠した」と言い張り、巧みに疑惑をかわしたものの、公安調査庁からは今なお情報漏洩を疑われ続けている。さらに、その庁が抱える記者たちは、何も知らないマリアにまで接触し始めていた。
現在、公安調査庁へと転身した冠城亘が、影ながら社親子を守っているが、過去が掘り返されるのは時間の問題かもしれない。社の出世街道はこのまま続くのか、それとも娘マリアとの未来を守るために試練が待ち受けているのか──。
余談ながら、マリアは甲斐享の息子・結平と「父親の不在」という共通点から親しくなっている。二人の関係は、享にまつわる物語の伏線ともなり得るだろう。
社美彌子に関する物語は、『相棒』の中でも最も定期的に示唆されている長期的な伏線のひとつ。果たして彼女の運命はどのように帰着するのか──ファンにとって見逃せない大きな焦点である。