「美声すぎて役が寄ってくる」
天才ミュージシャン役が似合いすぎる男

佐藤健

佐藤健
佐藤健【Getty Images】

【注目ポイント】

 6月より配信中の、小芝風花とW主演を務めるAmazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』に出演中の佐藤健。“タイムスリップ復讐劇”という設定の妙と、佐藤健が演じる鈴木亘の魅力にどっぷり沼る視聴者が急増し、話題を集めている。

 しかし、併せて注目してほしいのが、2025年7月31日に配信開始する、Netflixシリーズ『グラスハート』だ。若木未生の小説「グラスハート」に感銘を受けた佐藤自らが企画した本作は、孤高の天才ミュージシャン率いる4人組バンドの青春を描く物語。本作で佐藤は、孤高の天才ミュージシャン・藤谷直季役として美声を響かせている。

 イケメン俳優の名をほしいままに、芸能界の第一線を独走し続けている佐藤健だが、同時にやたらと“天才ミュージシャン役”が多い。

 初出演ドラマ『プリンセス・プリンセスD』で、キャラクターソングの「Treasure」で歌唱シーンを披露している。これを機に“歌うま俳優”として活動していく運命を辿ることに。次に、若手俳優の登竜門である、仮面ライダーシリーズ『仮面ライダー電王』の主役を射止めると、電王のテーマソングを歌う。

 また、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』では、主人公の天才作曲家・小笠原秋を演じ、ナチュラルに鼻歌を歌った際の美声が注目を集めた。

 映画『BECK』(2010)で佐藤健は、天才的なボーカルセンスを持つ主人公・コユキを演じた。意外なことに、本作では彼の歌唱シーンは一切ない。というのも、原作においてコユキの声は“特別な声”として描かれており、その圧倒的な存在感を逆説的に表現するために、映画ではあえて“無音”という演出が施されたのだ。

 この大胆かつアクロバティックな演出が、本作を一味違う音楽映画として際立たせている。歌声こそ披露されていないものの、佐藤健の持つ音楽的な感性と佇まいが、作品全体に確かな説得力を与えており、その成功の大きな要因となったことは想像に難くない。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!