漂う空気ごと聴かせる素晴らしき歌声
若葉竜也
【注目ポイント】
仲野太賀を紹介する際に軽く触れたが、“歌うま俳優”を紹介する上で、若葉竜也の存在は外せない。これまで映画を中心に活動し、“知る人ぞ知る俳優”という、映画ファンのオタク心をくすぐる存在だった若葉竜也だが、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系 2024)でとうとう世間に見つかってしまった…。それと同時に、映画ファンも知らずにいた一面が知れ渡る。
注目すべきは、同作で共演した俳優・大友律のInstagramに投稿された一本の動画。三瓶先生の手術着のまま、椅子にゆったりと腰かけ、サザンオールスターズの「TSUNAMI」など4曲を弾き語る若葉の姿が映されている。聴かせようとしているのかどうかすらわからない、飾り気のないその歌声。しかし、彼が歌い出すと、自然とその場の空気が“若葉竜也のもの”に変わってしまうような、不思議な力がある。
また先述した仲野太賀とのセッション動画で「葛飾ラプソディー」や「CHE.R.RY」を歌う、オフ感強めの2人が醸し出す空気は、さながら映画のワンシーンだ。
まるで猫を撫でているかのようにギターを弾く若葉竜也は何とも尊かった。音楽を愛でている様子がありありと伝わってくる。見ていると、そこだけに日がさしているような、なぜか縁側に座っているような心地良さに浸れるから不思議だ。
今後、スクリーンで若葉の魅力たっぷりの歌唱シーンを拝みたい…と思っているのは筆者だけではないはずだ。