役作りでプロレベルに…!? 意外な特技で役を極めた俳優5選。格闘技から料理まで…意外すぎる資格を持つ俳優をセレクト
映画やドラマで圧倒的な存在感を放つ俳優たちの中には、実は意外な資格を持ち、その特技を芝居に活かしている人が少なくない。今回は、そんな知られざる資格を持つ俳優5人を紹介し、それぞれの特技がどのように役作りや表現に活かされているのかを徹底解説する。(文・野原まりこ)
—————————–
C級ボクシングライセンス取得!体当たりで役を生きた
横浜流星
【注目ポイント】
映画『国宝』にて、主演の吉沢亮とともに1年半かけて歌舞伎の稽古に勤しんだ横浜流星。上映されるや否や、大絶賛の嵐を巻き起こしている。2025年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でも主演を務め、軽やかで粋な演技が高評価を得て、俳優としてぐんぐん株を上げている。
しかし、彼の役者人生は決して楽な道のりではなかった。洗練された端正なルックスを持つが、デビュー当初はスターダストプロモーションの男性タレント集団「EBiDAN」のメンバーに選ばれるも、立ち位置は後方、若手俳優の登竜門である戦隊モノ『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014)でトッキュウ4号役を演じるが、真ん中の立ち位置で華々しく脚光を浴びる…!とはいかなかった。その後、仕事が決まらない時期もあったという。
こうした挫折を味わった横浜流星は、“技術”ではなく“役を生きること”に重きを置いてお芝居することを心がけているそうだ。そんな彼がまさに“役を生きた”のが、映画『春に散る』(2023)だ。
本作では、引退を考えているプロボクサーを演じるため、週4でトレーニングに励み、見事、C級ライセンスを取得。ライセンスを取得したのは撮影後ではあったが、共演の窪田正孝と、本来は振り付けが決まっているボクシングシーンをアドリブで撮影したそうだ。本作でのファイトシーンは、数あるボクシング映画の中でも1、2位を争うほどアツい。
作品をご覧になれば、彼がボクシングのライセンスを取得したのが、単なる趣味や話題作りではないことは一目瞭然だろう。“役に生きる”を信条とする横浜流星だからこそ到達できた境地であり、その真摯な姿勢がスクリーンの隅々にまで息づいている。