運命に翻弄される切ないロマンスの名作
『太陽を抱く月』(2012)
出演: キム・スヒョン、ハン・ガイン、チョン・イル、キム・ミンソ、ソン・ジェリム ほか
原作: チョン・ウングォル著『太陽を抱く月』(小説)
脚本: チン・スワン
演出: キム・ドフン、イ・ソクフン
制作: MBC
【注目ポイント】
『太陽を抱く月』は、記憶を失った巫女と、彼女を愛し続ける若き王が織りなす、運命と再会を描いたファンタジー時代劇である。
この作品の魅力は、時代劇ならではの壮大なスケールと言葉の一つひとつに愛の切なさが滲み出てくるような繊細な表現力にある。王・イ・フォンを演じるキム・スヒョンの圧倒的な存在感と、心に秘めた切ない想いを繊細に表現する演技は、多くの視聴者の心を揺さぶった。
また、子役時代を演じたヨ・ジングとキム・ユジョンの演技も非常に高く評価されており、物語の序盤から視聴者を一気に引き込む力がある。過去と現在が交差する展開の中で、失われた愛と記憶が少しずつ紐解かれていく構成も、非常に秀逸。
幻想的な映像美、伝統美溢れる衣装、そして心に残るOSTが物語にさらなる余韻を与え感動を届けてくれる。
悲しみも喜びも乗り越えて、ただひとつの愛を守ろうとする姿に胸を打たれる、涙と希望に包まれた名作である。