一人二役で魅せる壮絶な人間ドラマ
『王になった男』(2019)
出演: ヨ・ジング、イ・セヨン、キム・サンギョン、クォン・ヘヒョ、チャン・ヨンナム ほか
原作: 映画『王になった男』(2012年)
脚本: キム・ソンドク、シン・ハウン
演出: キム・ヒウォン
制作: tvN、GTist
【注目ポイント】
『王になった男』は、“同じ顔を持つ二人の男”によって運命が動き出す、緊迫感と感動が溶け合う歴史ドラマの傑作である。
この作品最大の見どころは、主演・ヨ・ジングの驚異的な演技力にある。狂気と孤独に蝕まれた王と、心優しく正義感あふれる道化というまったく異なる人物を、一人で演じ分けるその表現は圧巻。わずかな目線、話し方、立ち振る舞いの違いから“まったくの別人”として存在させる技量は、見る者を強く引き込む。
物語は、単なる“入れ替わり劇”を超えて、王宮を舞台にした権力闘争や人間関係の繊細な心理描写が丁寧に描かれていく。偽りの王が、人々との出会いを通して本物の“覚悟”と“信念”を持つようになる姿は、視聴者の胸を熱くさせる。
また、イ・セヨン演じる王妃との信頼関係の変化や、王座をめぐる陰謀、民を想う心の葛藤など、あらゆる人間ドラマが高い完成度で描かれ、深く心に残る構成となっている。
演技・脚本・演出のすべてが高水準で、最後まで一瞬も目が離せない、重厚で美しい傑作である。
【著者プロフィール:Saki】
神奈川県出身。韓国映画やドラマ、K-POPなどのジャンルで執筆活動をしているライター。現在俳優活動をしており、役者の観点から映画の魅力を多くの人に届けるため、ライターとしても活動中をしている。特に好きなジャンルは、ラブストーリーやアクション作品。 “人生は一度きり“をモットーに、素直な感情を執筆。
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