日々の研鑽に裏打ちされた究極のイケボ
福山雅治
ーーー次は福山雅治さんです。福山さんも、「イケボ」の代名詞のような存在ですね。
「福山さんは、低中音が素晴らしいですね。一般的に低中音って発声がとても難しいんですが、福山さんはとてもナチュラルに鳴らせている。
それに、中低音ってバンドの帯域とかぶってしまうので、ライブだとこもって聴こえがちなんですね。にも関わらず、福山さんの歌はかなりクリアに聞こえている。相当な練習を積まれていると思います」
ーーー玉置さんと真逆のタイプかもしれませんね。
「そうですね。バンドマンにも色々なタイプがいて、事前に曲をアレンジしてしっかり作り込む方もいらっしゃれば、会場の雰囲気に合わせて臨機応変に対応するバンドマンもいる。福山さんは前者なのかなと思います」
ーーーちなみに福山さんは、俳優としても活躍されていますが、演技と歌で発声に違いはあるのでしょうか。
「歌の場合、演技と違って制約がかなり多いんですよね。実際、ライブだと1音目の音程は絶対に外せないし、バンドとのアンサンブルも考えながら歌わなければいけない。だから、実は演技以上に感情表現が後回しになってしまうんです。
でも、俳優さんの場合は「ド♯」の音を出さないといけないと思って演技はしないじゃないですか(笑)。だから、その点は、歌ならではの難しさだと思います」
ーーーあと、福山さんは、長年ラジオのパーソナリティーを担当されていますが、しゃべりにもアーティスト個人の音楽性が出るのでしょうか。
「出ると思います。一般的に、バラード好きの歌い手さんは、ゆったりとした問いかけるようなしゃべり方の方が多いように思います。
ただ、福山さんのしゃべりは割とテンポよく聞いてて心地が良いので、福山さんご自身はアップテンポな曲がお好きなのかもしれませんね」