アンサンブルを支える天性のリズム感
石井竜也
ーーー続いては、米米CLUBのメインボーカルを務めている石井竜也さんです。
「石井さんは、天性のリズム感をお持ちですね。石井さんも福山さんと同じく中低音の歌声で、計算しながら歌われていると思うんですが、演技っぽさが全くなくてナチュラルなんですよね。バンドのボーカリストを目指すなら、石井さんの歌を聞くべきだと思います」
ーーー歌といえば、音程や声量が重要な要素だと思っていましたが、リズム感も重要なんですね。
「はい。リズム感が悪いと、息継ぎがタイミングよくできなくて、アンサンブルが難しくなりがちです」
ーーーちなみに、石井さんの歌声は、ビブラートの効いた粘っこい歌声というイメージがあるんですが、リズム感と関係しているんでしょうか。
「あえてじゃないかな。というのも、米米CLUBの音楽って基本的に後ろ乗り(リズムがわずかに遅れて聞こえるゆったりとしたラテン風のノリ)なので、石井さんご自身の歌い方というよりは、米米CLUBの曲調なのかなと。
個人的には、石井さんの歌い方に本当に合っているジャンルはロックだと思います」
ーーーそれは意外ですね。
「ですよね。ただ、石井さんご自身はアンサンブル能力が高い方だと思いますし、バンドと一緒に練習したいという方だと思うので、どんなジャンルにも合わせられるスキルをお持ちなのかな、と」
ーーーちなみに、石川さんのように、元々の素質と曲にギャップがあるアーティストは多いのでしょうか。
「たくさんいると思います。歌いたい曲と世間から求められる曲もまた違いますしね。特にバンドの場合は、ソロ以上にお金がかかるので、なおさら好きな歌ばかり歌っているわけにはいかない。
米米クラブも、『浪漫飛行』がヒットしたからバラードに舵を切ったのかもしれないですね」