自らの手で愛する家族を殺めた過去
珠世
【注目ポイント】
当たり前のように炭治郎を手助けしてくれていたために忘れがちだが、珠世も鬼だ。優秀な医者ゆえに自身の身体を作り変え、少量の血液を摂取するだけで生きていけるようになった、他に例を見ない鬼と言えるだろう。
彼女は人間時代、病によって死にかかっていた。そんなときに現れたのが無惨。病から生き延びる方法として鬼となることを提案する。その甘い誘いに乗ってしまった珠世は鬼となり、愛する夫と息子を喰い殺してしまう。
彼女自身は、子どもが大人になるのを見届けたかったこそ病で死にたくなかったのに、結果として自身が鬼となって生き延びたことで家族を殺めてしまったのだ。これを悲劇と呼ばずしてなんと呼ぼうか。
鬼となって自暴自棄となった珠世は大勢の人間を殺していることを告白したが、最後の無惨との決戦では特攻する重要な役割を担う。自身が無惨に吸収される前提で鬼を人間に戻す薬を持って死地へと飛び込むのだ。
たとえ、悲劇を経験し、過ちを犯したとしても生きている限りは生き直すことができるという象徴でもあり、珠世の最期なくして鬼殺隊の勝利はなかっただろう。
【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
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【了】