12年ぶりに再誕した国産ゴジラ

『シン・ゴジラ』(2016)

長谷川博己
長谷川博己【Getty Images】

総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
キャスト:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、市川実日子

【注目ポイント】

 “怪獣王”ゴジラを描く国産シリーズ第29作目にあたる本作は、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』以来、実に12年ぶりとなる日本製ゴジラ映画として制作された。総監督と脚本を務めたのは庵野秀明、監督および特技監督には樋口真嗣が起用された。

 東京湾に突如として現れた謎の巨大不明生物。いち早くその脅威を察知し、政府内で対応を訴えていた内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)は、新設された「巨大不明生物特設災害対策本部(通称:巨災対)」の指揮を任されることとなる。

 やがて米国から派遣された大統領特使カヨコ・アン・パターソン(石原さとみ)が来日。彼女は、アメリカが極秘に収集していた巨大生物の研究データを巨災対に提供する。その中には“ゴジラ”という名が記されていた——。やがてゴジラは再び姿を現し、驚異的な進化を遂げて全長100メートルを超える巨体へと変貌する。

 矢口蘭堂役を務めたのは長谷川博己。米国特使カヨコ・アン・パターソンには石原さとみが扮し、物語の要となる政府中枢には竹野内豊、大杉漣、柄本明、余貴美子、國村隼といった名優たちがずらりと顔を揃える。また、市原実日子、高良健吾、津田寛治、塚本晋也、高橋一生といった多彩な俳優陣が、分析官や研究者など“巨災対”の個性豊かなメンバーを演じ、リアリティと重厚さを加えている。

 なお、本作を総監督・脚本として牽引した庵野秀明は、この後『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)、『シン・ウルトラマン』(2022)、『シン・仮面ライダー』(2023)と「シン」シリーズを次々に手がけ、これらはやがて〈シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース〉という一大プロジェクトへと発展。日本特撮カルチャーの再構築と再定義に挑む壮大な試みの幕開けとなった。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!