師との約束を胸に挑む雷撃の決戦
我妻善逸vs獪岳
現在、公開中の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」で描かれている戦いのひとつが、我妻善逸vs獪岳だ。善逸の兄弟子にあたるのが上弦の陸である獪岳で、ともに雷の呼吸を使う者同士の対決だった。
“鬼滅ファン”の人からすると、この戦いを「名バトル5選」に選出されているのを疑問に思う方もいるかもしれない。獪岳は上弦の鬼の中では明らかに最弱で、猗窩座や黒死牟といった他の鬼と比べても背景の弱さ(同情の余地があまりない)を感じる。それでも、善逸が師である元鳴柱・桑島慈悟郎の無念を晴らすべく一皮も二皮もむけ、覚醒するという点でぜひ名バトルに含ませてもらいたい。
「雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃」しか使えない善逸にとって、それ以外のすべてを使いこなす獪岳は明らかに格上の相手。加えて、獪岳は鬼となったことで血鬼術を使い、雷の呼吸をさらに強化させている。実際、獪岳がほとんどの時間において圧倒するのだが、最後には善逸が「雷の呼吸 漆ノ型 火雷神」で見事に勝利する。雷の呼吸の七番目の奥義は修行を続けた善逸だからこそ編み出せたもので、自身の才能や能力にあぐらをかいていた獪岳では決して生まれなかっただろう。
なにより亡き師に捧げる勝利は感動的で、桑島が残した「善逸 お前は儂の誇りじゃ」という言葉は涙を誘う。最強の新奥義からラストの感動まで、ぜひ劇場で観ることを勧めたいバトルだ。