光と正義を体現する異能力刑事を名演

髙橋海人『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)

髙橋海人
髙橋海人【Getty images】

 2023年にW主演を務めた『だが、情熱はある』で若林正恭役への“憑依”が印象的だった髙橋海人。だが、気付けばそれから2年余りに大きな飛躍を遂げていることが『DOPE 麻薬取締部特捜課』を見ているとわかる。

 今作でもW主演となり、未来予知の異能力を持つ才木優人を演じる。若く、真面目で正義感が強い才木と髙橋がすんなりと重なるのは、彼が持つ真っ直ぐさと誠実さが佇まいや声から伝わってくるからだろうか。不器用で生きづらいのではと心配になってしまうほどの危うさも内包しているようだ。

 ゆえにドラマ内では中村倫也が演じる陣内鉄平とはぶつかることもあり、ときに2人のシーンは強い緊張感が走る。中村の厳しい視線や冷めきった声によって作り出される雰囲気もあるのだが、髙橋がそれに全く喰われていないことで相乗効果を生み出しているように思う。

 2人は陰と陽のように対照的で、あくまでも光として照らし続ける髙橋の演技は中村に負けず劣らず魅力的だ。

 また作品の特性上、アクションシーンも少なくないが、普段のダンススキルが一役買っているのか難なくこなしているように見える。異能力によって操られたときには目の色を変えたような別人っぷりも話題となり、俳優としてさらに評価を高めている。

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