伝説的名優も苦しんだ…スター俳優が「出演を後悔した」映画5選。大スターが二度と振り返りたくないと公言している作品たち

若手俳優が目の前のチャンスを掴み取ることに必死で誤った選択をすることもあれば、勢いに乗ったベテランがスタジオの意のままに不本意な役をこなすこともある。有名映画への出演は、必ずしも役者にとって良い思い出ばかりというわけではなさそうだ。今回は、ハリウッドスターが「出演を後悔している」と公言している5本の洋画をエピソードとともに紹介しよう。(文・阿部早苗)
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続編中止にまで追い込まれた悪評ぶり

ジョージ・クルーニー『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)

ジョージ・クルーニー【Getty Images】
ジョージ・クルーニー【Getty Images】

監督:ジョエル・シュマッカー
脚本:アキバ・ゴールズマン
出演:ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、アリシア・シルヴァーストーン

【作品内容】
 元分子生物学者の悪党Mr.フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が凍結銃でゴッサム・シティを混乱に陥れる。バットマン(ジョージ・クルーニー)とロビン(クリス・オドネル)は対抗するが、魅惑の花粉で操る悪女ポイズン・アイヴィー(ユマ・サーマン)と手を組んだ彼らに追い詰められていく。

【注目ポイント】
 1997年公開の『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』は、DCコミックスの人気ヒーローを主人公としたスーパーヒーロー映画で『バットマン』シリーズの第4弾にあたる作品だ。監督はジョエル・シュマッカー、主演のバットマン役には当時人気急上昇中だったジョージ・クルーニーが起用された。しかし本作は、今なお歴代最低のバットマン映画と評されることが多い。クルーニー自身も出来栄えに強い後悔を抱いており、インタビューのたびに自虐を交えて語っている。

 Total Film誌の取材では「本当にクソみたいな映画だった。俺の演技も本当にダメだったと思う。あの映画でいい演技を見せるのは至難の業だった」と率直に振り返り、イベントでは「自分の演技があまりにひどかったので、もうスーパーヒーロー映画の現場には呼んでもらえない」「妻や子どもには見せられない」とまで明言している。

 作品は制作費約1億2500万ドルに対し、全世界興行収入は約2億3800万ドルを記録。撮影中、ワーナー・ブラザースは続編の監督をシュマッカー監督で進めていたものの中止に。上述のインタビューでクルーニーは「二度とバットマンはやらない」と宣言した。

 結果的に、この失敗がシリーズの方向性を根本から見直す契機となり、次作以降はダークで重厚な路線へと舵を切ることになった。クルーニーの後悔は深いが、その経験がシリーズ再生のきっかけとなったことは間違いない。

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